May 14, 2014

改めまして。思い出より愛を込めて、ろうそく一つ。


どーでもいい私事ですが誕生日でした。
自分が20代に想像した30代とは色んな意味で掛け離れた日常ですが、
まぁ、ケーキを祝ってくれる人達と食えるのは、貴重な"想像の範囲内の一つ"であり幸せな事です。




高校生の頃、頭の中はその現在とは掛け離れた将来像の妄想と明日の予定と、ただただファッションで埋まっている毎日でした。

とにかくファッションの世界に夢中で、裁縫のさの字もかじらない超素人であるにもかかわらず、
スカートやカットソーをせっせと縫っていたもので、
今の"頭で考え過ぎて手が動かない病を患うばばあになってしまった自分"からは信じられない活力だったなと思います。

たとえスカートの裾が地面から垂直でなくても、ステッチ幅が波打っていても、
カットソーなんて出来あがってさぁ着ようと腕を通した瞬間あ、頭が入らないんだという事にはじめて気がついたとしても、
この何とも言えない情熱みたいな――"これが若さか"的な雰囲気をどうしても感じて捨てられず、未だに取ってあったりします、
開き口の見つからないブロード地で出来たクルーネックのカットソーを。クローゼットの奥の奥の奥の方に。



それには当然、――zipperやmakingや装苑を友達といるより長い時間眺めている手作り系ティーンにとってはごく自然な話で、
自分のブランド名がすでに決まっており、しっかりタグも作って縫いつけてあるわけです。

オシャレでトレンドな特集ページではなくストリートスナップの端に位置するようなへんてこな格好をしたわたしを、
家庭科の先生は楽しそうに会う度に全身ファッションチェックしてくれていました。
わたしはまだ化粧するのもどきどきする年頃でとにかく照れくさくて、はにかむので精一杯だった思い出があります。
「また今日も面白い格好してちょっと見せて"姫!"」の呼び名が、照れ終わった帰宅後になって、
おかしな格好で派手好みで超すーぱーマイペースな自分になんてぴったりなんだろうと妙にしっくりきたもんで、
「誰でも身に着けるとお姫様気分になれる」だなんてもっともらしい注釈もつけ、
服飾系学校に進んだ後はあほみたいにタグを発注した、なんて懐かしい良い思い出です。まだたくさん残ってるっていうね。


ただ、その頃から姫系なんてジャンルが出来て『姫』の言葉の認知が広がると同時に、
自分が抱いていたイメージとは違うイメージが含まれ、バージョンアップしてる気がして否めず、更には名前としてnetで使っている人があまりに多くって、
コンセプトやアイデンティティのみならず青春の思い出なんて中二的な大きなものまで思い入れていたブランド名を、舌打ちため息と共に焼却。





スカートの裾は床と垂直に、ステッチは美しく、伸縮率のない生地には開き口を、
作ったあとそれを着て表に出られないと分かったらクローゼットにしまい込まずに処分する。
ま、実行できているかは別としていくつもの事を学んで大人と言われる年にもなって、
予想外の成り行きで自分のブランド名を考える作業と再会。


覚えてもらいやすいように、W△Mと記号化して表記しているものの、
正式名である"witchy mountain"には、こんな10代のエピソードなんてネタもなにもないですが、それなりの思い入れを持って決まった名前です。
いえ、ちゃんと理由はあるんですよ、でもそれはまた別の機会にお話しできればと思います。



たとえロウソクが一つ増える憂鬱を感じていても、
箱を開けた時にやっぱりこぼれる嬉しさくらいの、そんな身近さのあるあったかいブランドにしていきたいと思っています。

その過程を、少しでも綴って、作っている商品への思い入れを少しでも伝えられたら・・・そう思ってこのブログを"news"ページとは別に構えました。
自分も憧れの作家さんやブランドのブログを楽しんでいる様に、
お客さんとしてだけでなく読者として、楽しんでいただけるような日記にできたらと思っています。

改めて、どうぞ、これからも御贔屓に。よろしくお願いします!









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